4.自社株の生前遺産分割
土地に小規模宅地等の減額特例があるように、自社株にも同じような減額特例がある。
この特例を特定事業用資産の減額特例というが、概要は、次のとおりである。
相続又は遺贈(相続時精算課税制度による贈与を含む)により、被相続人から一定の取引
相場のない株式等を相続した場合には、その株式等のうち発行済株式総数の三分のニ以下
に相当する部分(三億円を限度とする)については、次の要件を満たす場合に限り、相続税の
課税価格を10%減額するものとされている。
イ 会社の発行済株式等の総額(相続税評価額)が20億円未満であること
ロ 被相続人及びその親族、これらと特殊関係にある人が会社の発行済株式総数の50%
超を所有しており、相続した相続人等がその株式等を引き続き所有し、かつ、その会社の役
員として経営していること
なお、この規定は、小規模宅地等の減額特例に使い残しが生じる場合には、重複適用がで
きることとされている。
この特例を受ける場合には、次のようなことを考慮しておくとよい。
@ 後継者に相続させる
土地を生前遺産分割する場合と同様、株式についてもできるだけ共有は避けたい。
兄弟で仲良く会社を経営していくという場合は別として、後継者が一人という場合は、その
後継者に相続させてやらなければならない。
そうしておかないと、後継者は安心して経営に打ち込めないし、また、経営に参画していな
い相続人がその株式等をもらっても、配当もなければ何の意味もない。
A 小規模宅地等の減額特例との比較
この特例を受ける場合と小規模宅地等の減額特例を受ける場合、どちらが有利か検討する
必要がある。
B相続時精算課税制度の選択
この特例は、相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産にも適用がある。
したがって、後継者に早く経営権をバトンタッチしてやりたいという場合には、相続時精算課
税制度の適用を受けて子供に贈与するといったことも考えたい。
また、相続時精算課税制度の適用を受けた財産は相続時に相続財産となるが、この場合に
は、その贈与時の相続税評価額で計上することになる。
したがって、自社株の評価が今後、上昇していく可能性があるならば、早めに相続時精算課
税制度を活用して贈与しておくのもよい。
(「続・生前遺産分割のすすめ」より抜粋)
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