5 住宅型相続時精算課税制度とは
第一章の相続時精算課税制度は、財産の種類や資金使途を問わない贈与の特例であったが、資金
使途を住宅の取得や増改築に限定した贈与にも相続時精算課税制度とほぼ同じ内容の制度が創設さ
れている。この制度を本書では、「住宅型相続時精算課税制度」(又は「住宅型特例贈与」)と呼ぶこと
とする。
「住宅型相続時精算課税制度」とは、親から満二〇歳以上の子へ自宅の取得資金を贈与する場合に
認められる贈与の特例で、三、五〇〇万円までの贈与は非課税、それを超える部分の金額に対しては、
一律二〇%の税率で贈与税がかかるというものであるが、その贈与した財産の価額は、相続時に相続
財産として持ち戻し(加算)をして相続税を計算し、その際に納めた贈与税額があるときは、これを精算
(相続税額から控除)して課税するというものである。
なお、この制度の適用は、今のところ、平成十五年一月一日から平成十七年十二月三一日までの期間
に限定されている。
親 ⇒ 20歳以上の子
4,000万円贈与した場合
↓ [贈与税]
(4,000万円−3,500万円)×20%=100万円(A)
相続時 特別控除 贈与税
[相続税]
相続財産と相続時精算課税贈与財産を合計して相続税額を計算し、その税額からすでに納めた
贈与税額(A)を差し引き、納めるべき相続税額を求める。
大枠は、相続時精算課税と同じであるが、贈与財産が特定され、かつ、贈与財産の使途が限定されて
いるなどの制約がある半面、贈与者の年齢制限がない、また特別控除額が三、五〇〇万円(一、〇〇〇
万円+二、五〇〇万円)まで認められるなどの違いがある。
違いをまとめると、次のようになっている。
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相続時精算課税制度 |
住宅型相続時精算課税制度 |
| 贈与財産 |
制限なし |
金銭 |
| 資金使途 |
制限なし |
自宅取得資金又は自宅の増改築資金、贈与年の翌年
三月十五日までに居住すること |
| 贈与者 |
満六五歳以上 |
制限なし |
| 特別控除 |
二、五〇〇万円 |
三、五〇〇万円(一、〇〇〇万円+二、五〇〇万円)
・本来の特別控除は一、〇〇〇万円
・ただし一般の特別控除二、五〇〇万円と合計したもの
が特別控除枠として使える。 |
| 適用期限 |
なし |
平成十五年一月一日から平成十七年一二月三一日まで |
(「続・生前遺産分割のすすめ」より抜粋)
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